思ったことメモ(特別編)/段落の一字下げをなぜしないのか

紙の文章とWebページの文章

紙に書かれた文章とWeb上の文章の幅には実は大きな違いがあり、紙に書かれてある方が幅が小さいようです。そのため紙の文章は一字下げだけで十分と言え、段落ごとに空白を入れなくても私達はスイスイと読めるのです。

ですがパソコンのディスプレイは環境にもよりますが基本的に横幅が大きいです。そのため段落の始まりの一字下げ部分と段落の終わりの文章がない部分を確認するのに、より大きな目の動きを必要とします。そのため空白だけではぱっと理解するのに不十分といえ、余白があると一呼吸おけ、読みやすくなります。

また、紙に書かれた文章とWeb上のデフォルトの文章の行間にも大きな違いがあり、前者の方が間隔が広いようです。そのためWeb上では普段慣れ親しんでいる以上に字が密集し、読みづらくなりやすいと言えます。そのため行間も広く設定しなおした方が文章を表現する際に効果的といえそうです。

更に、Web上ではユーザーによる環境の違いのため見づらいということもあるようです。サイトの管理者が見やすいと感じていても、他の人にはうまく表現されているかは分かりません。画面の幅、文字のサイズ、行間などが異なっているでしょうから。

この点から考えると、私はP間の行間を広めに設定すれば特に問題は無いように思います。本と同様に、一字下げで段落を表すくらいでも十分でしょう。

ただし、自分で諸条件を設定できる場合はそう表現すればいいのでしょうが、そうできない場合があります。それは掲示板に書き込むときです。その掲示板の仕様に従うしかありませんから、臨機応変に対応せざるを得ません。私は、自分の文章の長さと掲示板の仕様を考慮に入れ、一字下げも一行開けもどちらも使います。一行開けの方がどちらかというと多いかもしれません。掲示板に長い文章を書くことはあまり無いですから。

Webページの文章はデータ

Web上の文章を一般の文章として捉えるのではなく、データとして捉えるという考え方もできそうです。文章として捉えると見栄えだけが問題となるため、一字下げのための空白を気にしなくとも一向に構いません。しかしデータとして捉えると、一字下げによって生まれる空白が、データとして本当に意味のあるものとなるのか疑問です。空白もデータなのですから。空白という無意味な情報を画面に生じさせる必要は全く無く、空白は必要無いと言えるでしょう。ただし歌詞などに使われる空白は一つのデータですので、これはまた違った話です。この空白は表現する側にとっては意味のあるものなので必要性は大いにあるでしょう。同様に、改行も無駄なデータといえそうです。

このめ文章を情報として考えれば、一字下げる必要は無く、むしろ入れることはできないと言えるでしょう。一字下げることになにか特別な意味などありませんから。違ったルールで文章を書いていると思えばいいんですね。

Webページの性質

ネットで色々見ている方はよくお分かりかと思いますが、日記サイトが非常に多いです。そして日記には人に見てもらうことを意識せず、自分の普段使う文体で書きたいはずでしょうから、文が短くなりがちです。短い文にまで一字下げる必要が無いことは、掲示板で一字下げる必要が無いことと同じで、その場合は一行開けの方が見やすいように思います。実際Web上の文章でなくとも、取扱説明書や歌詞などには一字下げせず文章が書いてあったりします。

また、画像や表が非常に多いことも挙げられます。画像や表が多い中、一字下げをするのは変になってしまったりします。数学や物理のテストの解答のように、図や表が多い場合には一字開けをせずに文章を書いたりする習慣はWeb上でなくともあります。

「段落の一字下げをなぜしないのか」のおわりに

初めのうちは特に何も思わず文を書くだけでした。ですがCSSを意識しだしてから他サイトがどのように表現しているのかあちこち見てまわっているのです。その結果、色々なサイトで表現がてんでばらばらになっているので弱りました。もう少し調べたところ、どうやらサイトでの文章表現の問題の一つに「段落の行頭の一字下げ」があるみたいなのです。

この問題の論点は単純で、「一字下げで段落を表す」か「一行開けで段落を表す」のか、果たしてどちらが好ましいかといったことです。このことについてちょっと首をつっこんでみました。

残念ながらどちらが有力か結論は出ません。一方にこだわることなく両方のいい面を生かしていくべきだと思います。行頭の字下げがなぜ生まれたのかは私には分かりません。ただ、その目的は読みやすくするためであったのではないでしょうか。そう思っています。だとしたらもう一字下げにこだわることは無いと思います。この段落のような表現の誕生は必然だったのかもしれません。

04/09/12

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