ピックアップ/2005年2月

分かりやすい文章のススメ

私はいつも、できるかぎり易しい文章を読みたいと思っています。しかしながら、書く時は難しい文章を書きたいと思ってしまうのです。自戒の意味を込めて、この文章を書いておきたいと思います。

難しい文章を書きたがってしまう理由、それは知性のある人と思われたいからです。普段使わないような言葉を使って文章を書き、精一杯背伸びしたいのです。自己満足したいのです。

ただし、中身のある文章を書くことと、小難しい言葉ばかり並べることは次元が違うことです。自分より頭のいい人は山ほどいます。自分が張ったつもりの語彙のバリアーを通過して、薄っぺらな内容をしっかりと受け止めてくださることでしょう。

寧ろ、難しい文章を書いてしまうことの方が恥ずべきことなのかもしれません。基本的に自分の理解が深いほど、物事をシンプルに纏められます。それは易しい文章になるのです。自分の考えがまとまらないうちは、分かりやすい文章が書けませんから、難しい文章になってしまいます。

また、情報(つまりは文章)が溢れ、人々がせかせかと行動するようになっている現在、難しい文章は相手にされません。スキミングできるような文章(要点を簡単に抜き出せるような文章)こそが必要とされているのです。

読み手のことを思い、分かりやすい文章を書いていきたいです。それに満足のいく内容が伴うと、これほど嬉しいことはありません。

05/02/10

「ありがとう」と「行かなければならない」の言語地図

言語地図とは言語の分布状態を示した地図のことです。百聞は一見に如かず。まずは以下のリンク先をご覧下さい。

なお、Dialectological Cosmosでは他にもいくつかの言語地図も公開されています。この場では2つを取り上げるだけですが、他のも大変参考になります。興味を持たれた方は更に読まれるといいでしょう。

私の場合「ありがとう」が「イガッタ」に、「行かなければならない」が「行ガネバデギネ」になります。これらがパッと浮かんできました。

その言語地図の秋田県の部分を細かく確認してみます。まずは「ありがとう」の方から。

これだけ沢山の言い方が出ました。この中で「オーキニ」と「ショーシ」を「ありがとう」の意味で言われると、私は「?」となってしまいます。「オーキニ」は関西弁だと思いましたが、検索してみると秋田県でも使われているようです。関西弁だと思えば、まあ受け入れられます。

ただし「ショーシ」を「ありがとう」という意味で使うことは聞いたことがありませんでした。ですが受け入れなければなりません。「ショーシ」が正しくないとか、普及していないとか、そういった考えで受け止めることはできません。使った本人が「ショーシ」に「ありがとう」の意味があると思って使っているのであれば、その場では「ショーシ」が「ありがとう」なのです。隠語とか、ギャル語とか、そういったことと同じです。

次に「行かなければならない」について見てみることにします。

この中では「行カネバマエネ」が私には分かりません。これは秋田県と山形県の県境の海沿いに分布しているようです。ちょっと飛んで津軽地方にも広く分布しています。離れて同じ言葉が分布しているのはなぜでしょうか。うーん。

秋田弁では「カ」の音は「ガ」、「ナイ」の音は「ネ」になって聞こえます。そう思って考えると「行カネネ」が無いのが気になります。これは「行カネバナイ」に含まれているのでしょうか。この点に関してもう少し知りたいところです。「寝なければならない」が「ネネネ」になるということを以前書きました

これを眺めていて思ったのが、遠くても意外に通じたり、近くても通じなかったりするものだな、ということです。私が言うことは決してありませんが、「行カニャーナラン」や「行カナイケン」は言われても分かります。逆に、近場でも分からない例は前述した通りです。

単純な言葉なのに、なかなかどうして。新たな発見があるものですね。

05/02/11

分かりにくい文章のススメ

易しい文章を書くのが基本なのですが、あえて読みにくい文章を書くのが好ましい場合もあります。昨今問題の多い、ソニー(株)を例にとって説明します。

前者は一見分かりやすい文章ですが、よく考えてみましょう。視覚強調のbタグが用いられていて大変分かりやすい(もちろんちょっとしたアレ)のですが、それゆえ、ぼかした記述が可能となっているのです。一見すると分かりやすいため、斜め読みをする閲覧者は「へえ」と納得しがちなのですが、問題点は確かにあります。

それはゲームを回収することは無いということです。そしてそれを書くことなく、閲覧者に受け入れさせるということです。あの文章は分かりやすいがために、欠けた情報を閲覧者が補うことはありません。

後者は分かりにくい文章です。そして論点をぼかしています。問題点を分かりやすくするために要約します。

つまり取扱説明書関連に何か問題点があったとしても、二重三重のトラップがあるためにソニー側が明らかに有利なのです。そして「このwebサイトの情報が正しいかどうかは知りません」といった内容の文章が、このサイトの利用規約みたいなところに書かれてありました。意外にトラップが多いですね。把握しきれませんでした。

あえて分かりやすい文章を書くことで、書かれていないことを隠す。あえて分かりにくい文章を書くことで、書かれている事実を捻じ曲げる。この2つのテクニックを身に着けることも、この混沌とした世の中を切り抜けるためには必要なのでしょう。

05/02/22

秋田弁サイトまとめ

秋田弁に関する項目を扱っているWebページをまとめました。

調査
エッセイ
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05/02/28

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